2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』は、怪談や昔話を愛するヒロイン・松野トキを描いた作品です。
実はこのキャラクターには実在のモデルがいます。
その人物こそ、怪談作家として有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻、小泉セツさんです。
そんなヒロインのモデルとなった小泉セツさんがどんな人生を歩み、どんな役割を果たしたのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は朝ドラ【ばけばけ】の実話モデルの小泉セツについて以下のことを調べてみました。
朝ドラ【ばけばけ】の実話モデルは小泉セツ!
2025年度後期 連続テレビ小説『ばけばけ』のポスタービジュアル公開
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) July 30, 2025
主演は髙石あかりさん。小泉セツと八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルとするフィクション。放送開始は9月29日です。 #ばけばけ https://t.co/hPfazyOpc5 pic.twitter.com/233pJxaAVE
朝ドラ『ばけばけ』の主人公・松野トキのモデルは、小泉セツさんです。
小泉セツさんは慶応4年(1868年)、島根県松江市に生まれました。
幼いころから昔話や怪談が大好きで、その語りは後に夫となる小泉八雲の文学活動に大きな影響を与えました。
ですが『ばけばけ』の実話モデルは小泉セツさんですが物語は大胆に再構成されていて登場人物や団体名などはフィクションになっています。
小泉セツの生い立ちと若き日々
小泉セツさんは武士の家に生まれましたが、明治維新で家が没落し、幼くして機織りの仕事に従事しました。
18歳で最初の結婚をしましたが、夫が失踪してしまい、22歳で離縁という厳しい経験をします。
その後、外国人教師の家に住み込みで働き始めたことが、人生の転機につながります。
幼少期から身につけた「昔話を語る力」が、後に世界的作家を支える原点となったのではないでしょうか。
小泉八雲との出会いと結婚
1891年、英語教師として松江に赴任していたラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)と出会います。
言葉は通じませんでしたが、セツさんが語る怪談や民話にハーンは魅了されました。
同年、2人は結婚し、ハーンは日本に帰化して「小泉八雲」と名乗ります。
異文化を超えた結婚は、当時としては非常に珍しいものでしたが、夫婦は互いの世界を尊重し合ったと伝えられています。
語り部として八雲を支えた小泉セツ
小泉セツさんは、夜な夜な夫に昔話や怪談を語り聞かせました。
それらが『怪談』や『耳なし芳一』『雪女』といった作品のもとになったとされています。
八雲は「書く人」、セツさんは「語る人」という役割を担い、夫婦はまさに創作の共同体だったようです。
小泉セツの年表
小泉セツさんの生涯を振り返ると、波乱に満ちた歩みだったことがわかります。
- 1868年(慶応4年) 0歳 島根県松江市に生まれる。稲垣家の養女となる
- 1879年(明治12年) 11歳 機織り工場で働き始める
- 1886年(明治19年) 18歳 前田為二さんと結婚
- 1887年(明治20年) 19歳 夫が失踪、のちに離縁
- 1891年(明治24年) 23歳 ラフカディオ・ハーンと結婚
- 1893年(明治26年) 25歳 長男・一雄さん誕生
- 1896年(明治29年) 28歳 八雲が帰化し「小泉八雲」と名乗る
- 1897年(明治30年) 29歳 次男・巌さん誕生
- 1899年(明治32年) 31歳 三男・清さん誕生
- 1903年(明治36年) 35歳 長女・寿々子さん誕生
- 1904年(明治37年) 36歳 夫・小泉八雲が急逝
- 1905年(明治38年) 37歳 回顧録『思ひ出の記』を執筆
- 1932年(昭和7年) 64歳 死去
この年表を見ても、セツさんの人生が時代の激流に翻弄されながらも力強く歩んでいたことがわかります。
小泉セツの家系図
小泉セツさんは小泉家に生まれ、稲垣家に養子に出されました。
その後、ラフカディオ・ハーンと結婚し、4人の子どもを育てました。
- 父:小泉弥右衛門湊
- 母:小泉チエ
- 養父母:稲垣金十郎・稲垣トミ夫妻
- 夫:ラフカディオ・ハーン(帰化後は小泉八雲)
- 子ども:小泉一雄さん、稲垣巌さん、小泉清さん、小泉寿々子さん
家系図をたどると、セツさんが複数の家族の中で役割を担いながら、自分の人生を切り開いていったことが見えてきます。
小泉セツの晩年と『思ひ出の記』
1904年に小泉八雲が亡くなった後も、セツさんは再婚せず4人の子どもを育てました。
その中で著した回顧録『思ひ出の記』には、夫婦の生活や子どもたちとの日常が丁寧に綴られています。
作品を支えた妻としてだけでなく、一人の語り部としての人生を記録した貴重な資料といえるでしょう。
この書物こそ、朝ドラ『ばけばけ』を「実話」として深く理解する手がかりになるのではないでしょうか。
まとめ
「朝ドラ【ばけばけ】の実話モデルは小泉セツ!小泉八雲を支えた妻の生涯とは?」を最後までご覧いただきありがとうございました。
『ばけばけ』は、小泉セツさんの人生を土台に描かれた実話ベースのドラマです。
武士の娘として生まれ、時代の荒波に翻弄されながらも語り部として夫を支え、日本の怪談文化を世界に伝えるきっかけを作りました。
小泉セツさんの実話は、ただの「作家の妻」ではなく、「文化をつなぐ語り手」の物語として今も息づいているのではないでしょうか。
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