2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、俳優の寛一郎さんが演じる山根銀二郎。
この人物の実在モデルは、明治時代に生きた前田為二(まえだためじ)さんとされています。
そんな前田為二さんは史実ではどんな人だったのか気になる人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、山根銀二郎のモデルである前田為二さんについて以下のことを紹介していきたいと思います。
- 【ばけばけ】山根銀二郎のモデル・前田為二とは?
- 【ばけばけ】前田為二と小泉セツの実話!
ということを「【ばけばけ】山根銀二郎のモデルは誰?前田為二と小泉セツの実話に迫る!」と題して記事をお届けしていきたいと思います。
山根銀二郎のモデル・前田為二とは
前田為二さんは、鳥取藩の足軽の家に生まれた次男です。
武士としての誇りを持ちながらも、明治維新後に身分制度が崩れ、生活は厳しいものでした。
彼は浄瑠璃(じょうるり)や怪談を好み、近松門左衛門の作品を愛読していたと伝わります。
こうした文学的な一面が、『ばけばけ』の山根銀二郎の性格にも反映されています。
山根銀二郎もまた、「武士の誇り」と「貧しさの現実」の間で葛藤する人物として描かれています。
ドラマで見られる誠実で内省的な姿は、史実の前田為二さんに通じる部分が多いのではないでしょうか。
前田為二と小泉セツの結婚
前田為二さんと小泉セツさんの結婚は、単なる男女の縁ではなく、時代に翻弄された士族の現実を映す出来事でした。
お互いに“武士の家”の出身でありながら、明治という新しい時代に適応できず、貧困や価値観のズレに苦しむ中での結婚だったのです。
それでも二人は、文学や物語を通して心を通わせ、穏やかな希望を見いだそうとしていました。
この小さな幸せの時間が、のちに語り継がれる「鳥取の蒲団」へとつながっていくのです。
婿養子としての新生活
1886年、前田為二さんは18歳の小泉セツさんと結婚し、稲垣家に婿入りしました。
明治の世になっても士族の多くは収入源を失い、生活は困窮していました。
為二さんも例外ではなく、家計を支えるために働きながら、セツさんと共に新生活を始めます。
二人の共通点は「物語好き」。
浄瑠璃や怪談を語り合う穏やかな日々が続き、互いに惹かれ合っていったと伝わります。
義家との確執と出奔
しかし、働かない義父や厳格な義祖父との確執が深まり、家庭は次第に不和に包まれます。
稲垣家には借金がかさみ、暮らしは苦しくなる一方でした。
婿養子としての重圧と貧困に耐えかねた前田為二さんは、結婚からわずか1年で家を出てしまいます。
セツさんは彼を探し、大阪まで旅をして復縁を願いましたが、為二さんはそれを拒絶。
この決別が、セツさんの人生を大きく変える転機となりました
離婚後の前田為二とその後の人生は?
1890年、二人の離婚が正式に成立します。
この頃、セツさんは小泉家に復籍し、翌年には外国人教師のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)さんと出会うことになります。
一方の前田為二さんは、出奔後に大阪で商売を始め、のちに成功を収めたと伝わります。
明治という激動の時代に、自分なりの生き方を貫こうとした姿が想像されます。
たとえ夫婦としては結ばれなかったとしても、その経験が後の文学史に大きな影響を残しました。
「鳥取の蒲団」と小泉八雲への影響
セツさんが小泉八雲さんに語った怪談「鳥取の蒲団(とっとりのふとん)」は、前田為二さんから聞いた話が元になっていると言われています。
この物語がきっかけで、小泉八雲さんは日本の“見えない情(なさけ)”を描く作風を確立しました。
また、セツさん自身もこの経験を通じて“語り部”として成長し、八雲さんの文学を支える存在となります。
つまり、前田為二さんとの出会いが、日本文学史に残る名作を生む“原点”となったのです。
山根銀二郎を演じる寛一郎とは?
山根銀二郎を演じるのは、俳優の寛一郎(かんいちろう)さんです。
父は佐藤浩市さん、祖父は三國連太郎さんという俳優一家の出身で、確かな演技力が注目されています。
寛一郎さんの顔つきが佐藤浩市さんに近づくにつれ、佐藤浩市さんの顔つきが三國連太郎さんに近づいていくよね pic.twitter.com/EQroN2y5af
— 彩の国のなかよく🍀 (@hasuda_iitoko) October 15, 2025
寛一郎さんは銀二郎を「誠実で真っすぐな青年」と表現し、明治という転換期を生きる若者の心を丁寧に演じています。
武士としての誇りと、時代に翻弄される人間の弱さをどう表現するのか、放送後の反響にも注目が集まりそうです。
まとめ
「【ばけばけ】山根銀二郎のモデルは誰?前田為二と小泉セツの実話に迫る!」を最後までご覧いただきありがとうございました!
『ばけばけ』に登場する山根銀二郎のモデル、前田為二さんは、明治の時代に生きた実在の人物でした。
短い結婚生活と別れを通じて、小泉セツさんに“語り”の原点を与えたとも言われています。
彼の人生は苦難に満ちていましたが、その歩みが日本の文学に新しい風を吹き込んだのかもしれませんね。
ドラマを通して、前田為二さんという一人の明治人の心の軌跡を感じてみてはいかがでしょうか。


コメント